ホーランド・アメリカ スタテンダム乗船記

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メールマガジン0103号   2006/05/04日発行(月・水・金発行)
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□□ ホーランド・アメリカ スタテンダム乗船記 □□

香港−大阪15日間のクルーズに参加しました。一言で印象を言えば「静かで、
落ち着いて、とても居心地の良いクルーズらしいクルーズ」でした。そしてそ
の原因を私なりに独断と偏見で総括すると「素晴らしい乗客が上質のクルーズ
の雰囲気を醸し出す」「そのような上質な客を集める仕組みが随所にある」こ
とだという結論になりました。

生花と装飾
「生花がある船は上質の船」であることは間違いありません。しかもそれが花
の国オランダらしくふんだんにあるのです。しかも絶えず新しい花と入れ替え
ています。また装飾品も船をテーマにした絵画や模型、それに伊万里や有田の
上質な陶器。このような道具立てが船全体に落ち着いた高級感を与えています。


このような落ち着いた大人の雰囲気ですので乗客は必然的に白人で年配の富裕
層となり、しかも熱烈なリピータが多いのが特徴だと感じました。

静かで落ち着いている
船内活動は色々と準備されています。全部に参加するのは不可能です。しかし
ながら船内がざわついていません。クルーズの最大の呼び物である歌と踊りの
プロダクション・ショウもボーカル4名、ダンサー6名、合計10名のせいか、
いささか迫力にかけます。その一方で寄港地情報の説明会は同じ内容を船内テ
レビで見ることができるにかかわらず、結構盛況です。

料理教室では活発に質問が出たり、クリスタルほどではありませんが軍人によ
る講演があったり、知的好奇心を満足させる工夫に頭を使っているようです。

食事
大型船で大量の乗客を相手にするクルーズとは明確に一線を画しているように
思います。大型船では定められた通りのサービスしか受けることができません
が、乗客の好みにに合わせた食事を提供しようという意欲は感じます。ブッフ
ェの朝食でも、玉子やベーグル、トーストなど目の前で調理したものをサービ
スすることが前提のライン構成です。

メインダイニングでもスモールポーションは確実に実行されますし、メニュー
も豊富で14日間、確実に日替わりでした。それでいて毎日同じメニューも品
数に限りはありますが選択可能です。またパサパサではありますが白米のオー
ダも可能です。

問題は食事に切れ目があり、一日中何かしら食べ物にありつけることにはなっ
ていません。ファースト・シーティングで午後5時45分に夕食を頂くと夜1
1時まで全く何もありつけません。一度に少ししか食べられない私としては大
きな問題でした。もちろん24時間ルームサービスは行っていますが、夜のこ
とですからほんの少し、お腹を満たせば良いわけで、ルームサービスまでは躊
躇します。

クルーズ船は5万トンクラスが快適?
スタテンダムに乗船し、しみじみ5万トンクラスがクルーズには最適なのでは
と思いました。日本船の2万トンクラスでは公共部分の選択肢がきわめてせま
く、シルバーシーなどのようなよほど高質なサービスがなければ飽きてしまい
ます。

一方乗客が2千人を超す大型船は特にエンターテイメントに力を入れており、
それはそれでエキサイティングですが、クルーズの三大要素である「設備・サ
ービス・乗客のつくりだす雰囲気」のうち「乗客のつくりだす独特の雰囲気」
は望むべくもありません。せっかく気のあった乗客もキャビン番号を聞かなけ
れば再会さえ難しいのです。

その点5万トンクラスであればスタテンダムも飛鳥2も船内での選択肢はあり
ながら乗客同士のふれあいも濃厚に展開できます。スタテンダムのように快適
な雰囲気での居心地の良さは乗客が寄与している割合が大きいと思います。そ
の意味で飛鳥2は高い人気を続けることが可能だと改めて思いました。

結論
ホーランド・アメリカの5〜6万トンクラスは「クルーズの楽しみ方を知った
人」むきだと強く感じました。欧米の文化を理解し、それにとけこめる人には
実に快適です。クルーズ初心者には少しハードルが高いのではないでしょうか。
またRCIボイジャー・オブ・ザ・シーズやダイヤモンド・プリンセスが楽しい
という人は、ホーランド・アメリカには失望するでしょう、

外国クルーズの良いところは実に豊富な選択肢があることです。自分の好みに
ぴったりのクルーズを見つけ出すことも楽しみのひとつでしょう。スタテンダ
ムの写真集も完成しました。400枚の写真でお楽しみください。
http://www.inox-tabi.com/cruise/statendam/