またアラスカで水上飛行機墜落

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またアラスカで水上飛行機墜落

ついこの間、サン・プリンセスでアラスカ観光の水上飛行機が墜落したことを報告させて頂いたばかりなのに、またホーランドアメリカのザウデルダムのクルーズで墜落事故が発生しました。サン・プリンセスでは船側が提供したツアーでしたが、今回は船とは関係なく個人が申し込んだツアーでした。5名が死亡しましたが、4名の乗員・乗客が生存し、病院に収容されているとのことです。

船が手配しようが、個人が手配しようが、失った貴重な命は帰ってきませんが、事故後の対応に大きな差があったようです。今回事故のあった会社は夫婦で経営する個人事業のような会社で、事故後全く連絡がつかないようです。一方船側で手配したサン・プリンセスでは、事故後直ちに全てのツアーをキャンセルし、事故原因と再発防止が明確になるまで、取引停止措置をいち早くとりました。

サン・プリンセスで事故を起こした会社は、現在ホーランド・アメリカ、ロイヤルカリビアン、セレブリティ、リージェント・セブンシーズとは取引状態にあり、プリンセスとカーニバルが取引停止状態です。サン・プリンセスで事故を起こした会社は現在、運輸安全委員会と事故原因追及の調査・検討中であり、プリンセスもあれこれと注文をつけているようです。しかし今回事故を起こした個人事業会社ではこれだけの対応能力がはたしてあるのでしょうか。現在奥さん一人が対応しているのが実情のようです。

また事故後の補償についても大差があります。サン・プリンセスの事故では補償の直接の対応者はプリンセスになりますが、個人で契約した今回の事故では直接個人事業の会社と交渉を行わなければなりません。個人会社では対応能力もないことでしょう。もし事故にあったのが日本人ならプリンセスの事故の場合は日本の総代理店でも対応してくれるでしょうが、個人事業会社との直接契約ではどうすることも出来ませんね。

このように船が準備するツアーは高いけれど、ツアー業者の吟味から、まさかの時の一貫した対応など、その対応力に大きな差があります。失われた尊い命は帰ってくるものではありませんが、事故が起こってからの一分一秒をあらそう時の対応に大きな差があると家族などの心痛は計り知れないものがあると思います。何度も同じことを繰り返し主張していますが、信用のおける旅行社、信頼のおける添乗員、それに信頼のおけるランドツアーなど総合的に考えてクルーズを選定すべきだと思います。値段の差はまさかの時の保険だと考えるのが、結果として賢いクルーズの楽しみ方ではないでしょうか。

国内クルーズはほとんど問題がないのですが、海外クルーズの場合は、大手の旅行社だからと言って安心できません。その会社がどれほどクルーズの経験があるか、そして顧客を大切にするかを慎重に見極めなければなりません。個人でクルーズから航空券まで手配する人は値段第一で選べば良いですが、「おまかせ」スタイルの人は値段で決めるのは問題です。特に陸上旅行の精神をクルーズに持ち込んでいる会社は添乗員の重要さを理解していません。名前だけで幻惑されてはいけないのです。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm