混乱期?? ラプソディ・オブ・ザ・シーズ

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混乱期?? ラプソディ・オブ・ザ・シーズ

待望のロイヤルカリビアンによるアジア進出。これでスタークルーズにコスタ・アレグラとラプソディ・オブ・ザ・シーズの揃い踏みでアジアのクルーズ市場の夜明けと大きな期待をしています。そのラプソディ・オブ・ザ・シーズの5泊6日ベトナム・三亜クルーズから帰ってきました。

とても意外だったのは超大型船の見事なコントロールで有名なロイヤルカリビアンが、たかが8万トン級の乗船・下船でかくも手間取るとは全くの予想外でした。乗船は香港のマルコポーロ・ホテルの目の前の埠頭ですが、乗船前の保安検査では一分間で6〜8人しか進まないのです。おかげで乗客の中には3時間も待たされた人が出てきました。しかもトイレも飲み物もないところでの長時間の行列です。気分の悪くなる人も出てきました。「大切な保安検査だからしかたがない。出港はこれで2時間くらい遅れるだろう」と30分遅れで始まった避難訓練に参加し、15分ほど経過して、乗船口を見に行ったら、あれだけの長蛇の列があとかたもなく消えています。出港が近づいてきたので、あわてて乗船させたのでしょう。あまりにも手前勝手だと憤りがこみ上げてきました。そして船はほぼ定刻に出港しました。

それから下船の混乱です。

香港入港の時間になりました。いよいよ着岸です。でも出発時の港と違う、辺鄙なコンテナヤードです。たくさんのバスが待っています。我が奥さんは下船スケジュールを片手に「これから乗船時の港に船が行くには時間があわないわよ」といいます。私は「なあにここでツアー客が降りたら乗船の時の港につくのさ。落ち着いて待てばいいよ」といいました。それでも奥さんは納得せず。他の乗客に聞いたところ、ここで全員下船とのこと。そこで私は「これはチャンス」と生き生きして取材活動を開始しました。

色々な情報を総合すると「ここで下船し、出発時の港までバスで行き、そこで荷物を受け取る」とのことでした。そこでどうしてこの情報を得たのかと取材したところ、白人の多くは「部屋にメモが入っていた」というのです。個人旅行の日本人の中にも「部屋に日本語のメモが入っていたわよ」という人もいます。しかし私たちの部屋には英語も、日本語もこの種の情報にかかわるメモは一切入っていません。それからさらにしつこく取材すると、白人の中にも着岸して初めて知った人もかなりいました。また実に旅なれた英語堪能な日本人家族も全く知らず「飛行機が間に合わない」といささかパニック状態でした。「ここで下船して荷物を引き取り直接空港へ」と交渉したらしいのですが、らちがあかないと嘆いていました。また早い飛行機を予約していた別の日本人乗客は半狂乱で大変なところを日本からの団体ツアーの添乗員さんに助けられたとも聞きました。(未確認・伝聞)

50名の団体を引率するクラブ・ツーリズムの乗客の皆さんは何事もなかったかのように整然と混乱もなく下船していたのに比較して、私たち個人旅行の人たちの慌てぶりが目立ちました。やはり信頼できるクラツーさんのような旅行社のツアーに参加するのがクルーズを楽しむコツだと痛感しました。添乗員さんの質で随分旅行の楽しさが変わりますから、今回のクラツーさんの添乗員さんは立派だったと思います。

それからやっと下船しましたが、聞いていたのとは違って荷物をその場でみなさん勝手にひきとりバスにつみこんでいます。それをコントロールする船側の係員は探しても見当たりません。でもそれが正解でした。うっかり説明を信じて乗船した港で荷物を受け取っていたら恐らく飛行機には間に合わなかったでしょう。また下船してもバスへ誘導をする係員は皆無なのです。とにかくこのような混乱の時に状況を聞こうとしても係員がいないので聞くことも出来ません。フロントには長蛇の列で乗客がならんでいますから聞く気にもなりません。普通は下船説明会があり、しつこいくらい説明があるのに、この船は何もなく、必要なタグを部屋に配るだけです。たいした説明書もありません。

結局私たちの場合は下船開始時刻の10時から3時間経過した午後1時に乗船した港にたどりつき、そこからタクシーに乗りました。2000人近い乗客ですから、簡単には下船できないでしょうが、3時間は長すぎます。私たちは下船予定時間の5時間後の飛行機でしたから十分余裕を持って行動できました。それにしても問題なのは情報の伝達と、乗客へのスムースな誘導の致命的な欠落です。このようなことは(出発港と帰着港がことなる)今回で二回目であるとのことですが、出港前にわかっていたことですから、事前に十分に注意を喚起するのが普通で、ラプソディの人たちにクルーズを行う資格があるのかと疑いました。

当分は添乗員つきのツアーに参加するか、十分に余裕をもったスケジュールで予定を組むか、何らかの対応が必要だと思います。一応一生懸命取材したつもりですが、細かい事実に誤認があるかも知れません。でも大混乱であったことだけは事実です。せっかくアジアに本格的な船がやってきたと思ったのに実に残念です。それからロイヤルカリビアンの名誉のために申し述べますが、他の船ではこのような混乱は無いとのことです。親しくなった白人乗客から「今回のことでRCIには二度と乗船したくない。などと思って欲しくないな。他の船では見事すぎるくらい、多数の乗客の乗船・下船は見事にコントロールされているんだから」と言っていたのが印象的でした。

次回は肝心のクルーズの内容について報告します。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm