あくまで強気のロイヤルカリビアン

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あくまで強気のロイヤルカリビア

「ヨーロッパならびに地中海は大きく伸びる市場である。RCIはこの大切な市場を獲得するために全力を注入し、必要な投資も行ってゆく。2009年度は史上最高の22の船をヨーロッパ、地中海市場で運行させる」とRCI幹部がこのほどベニスで開催されたシートレードの開幕スピーチで力強く言い切りました。

RCIグループ(RCI,セレブリティ、アザマラ)の中でもRCIは2009年夏から秋にかけて世界最大フリーダムクラス一隻、ボイジャークラス二隻のほか五隻、合計八隻で32カ国、70方面、87の港を巡ります。またブリリアンス・オブ・ザ・シーズRCIとしては初めて通年地中海クルーズ実施に踏み切ります。

高級船のブランドイメージを持つセレブリティは、これまた史上初の大型船五隻を欧州に投入します。新造船二隻と大幅改造をしたコンステレーション、サミット、センチュリーの五隻です。29の国と76の港を巡ります。

またアザマラでは36の国と91の港を予定しています。まさに欧州に大集結です。特に最新鋭船を投入するのが目立っています。セレブリティやアザマラはもともと欧州クルーズが多かったので特段驚くにあたりませんが、RCIはついこの間、ボイジャーを投入したと思ったら、来年は八隻の投入です。

過当競争のカリブ海から主戦場を欧州に移したのでしょうが、このプランはもともと、今回の金融危機の以前に計画されたものです。9月以降、状況は劇的に変動し、ユーロは急激な安値となっています。アメリカ船はドル建てが多かったですから相対的に安くて欧州で人気がありました。

またアメリカにもユーロ高の欧州の乗客が大挙してドル安のフロリダなどに買い物ツアーに押し寄せていました。もちろんカリブ海クルーズも視野に入っていたでしょう。ですからこのような思い切った布陣は逆目かも知れませんが、それだけに弱気を見せることのできないRCI首脳陣はシートレードで勇ましく進軍ラッパを鳴らさずにはおられなかったのでしょう。

私は欧州がこのように劇的な変動を遂げて、地中海クルーズはダンピングが始まらないかと密かに期待しています。RCIやセレブリティの日本語HPを注意してウオッチする年に来年はなりそうです。また四月以降は航空機もさらに燃料サーチャージを下げるでしょうから、人気の欧州クルーズは日本にとって身近になるかもわかりません。そうなればいいですね。