変動相場制の外国船クルーズ価格

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変動相場制の外国船クルーズ価格

外国船クルーズのお値段は「変動相場制」がほとんどです。「変動相場制」とは生鮮食品のように、需要と供給との関係でお値段が変わることを意味します。でも定価はちゃんと存在しています。割引率が需要と供給によって変わるのです。

「変動相場制」に対して、日本のクルーズ業界には大きな問題が存在すると私は思っています。「変動相場制」であるならば、日本の総代理店は的確にお値段の変更を知らせる義務があると考えるのは当然です。でもそれがほとんどなされていないのが現状です。その結果内外価格差がひどいときは日本価格がアメリカ価格の倍以上になっていることがあるのです。(同じドル建てでの話ですよ)

クルーズ大国アメリカでは多くの人が旅行社を利用するとの統計がでています。その結果旅行社も素早く「変動相場制」に対応しています。たとえばアメリカではCRUISE.COM、SmartCruiser、Vacation to Goなど数多くの旅行社があります。そのサイトを訪問すると驚きます。

まさに「変動相場制」そのものです。そして希望のクルーズを検索してゆきますと、何とキャビン番号まで出てきて、諸費用一切が表示されます。その上に読者登録をすれば、週に何度も「今週の特別プライス」と言った、お得クルーズを紹介するメールが来ます。まさに「変動相場制」の情報満載なのです。

日本でもそれが可能なのが、ロイヤルカリビアンやコスタなどの日本語直販サイトです。これらのサイトではアメリカの旅行社と全く同じ利便性でキャビン番号まで指定出来ます。従ってロイヤルカリビアンでは内外価格差はほとんどありません。

でもキュナードなどは、アメリカの旅行社での値段と比較すれば、日本の価格が倍以上であることは良くあります。「変動相場制」とは全く無縁の世界です。この差はどこから来るのでしょうか。

ロイヤルカリビアンの場合は、ロイヤルカリビアンが直接乗り出して、日本の総代理店は、その事務処理を行っているにすぎません。ですから「変動相場制」が可能になるのだと私は思います。最近はシルバーシーなども自分たちが日本に進出し、従来の総代理店が事務処理を担当するようになりました。

でもキュナードやプリンセスなどは日本の総代理店のままです。そして「変動相場制」とは遠い位置にあります。プリンセスも内外価格差が相当にあります。日本の総代理店は内外価格差が起こらないように経営努力をして欲しいと思います。でないと、今後英語とネットの使い手のクルーズファンが増加すると、彼らは直接アメリカサイトからクルーズを購入することになるでしょう。

今まで、日本の旅行社ならびに総代理店は、極めて限られた上質の乗客に支えられてきました。そのような乗客は富裕で、気に入った添乗員と手厚いサービスの旅行社から離れることのない年輩層でした。でも今後日本のクルーズ業界も環境は激変すると思います。まず総代理店の考え方から変えて貰わないといけないと私は思っています。