外国船 大きいことは良いことか

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外国船 大きいことは良いことか

日本の船はびいなす、にっぽん丸が2万トンクラスの小型船です。そこへ本格的な外国仕様の飛鳥2(5万トンクラス)が登場し人気を博しています。ところが外国での大衆船は11万トンが主流でロイヤルカリビアン(RCI)が15万トンを続々と投入し、次はなんと22万トンの船(ジェネシス)を計画しています。

大きいことは良いことか?ここに面白いデータがあります。いつも紹介させて頂いているアメリカのクルーズクリティック社の読者アンケートの結果です。

ジェネシス(22万トン)について何と75%の人が良いアイデアではないと言っています。そして「ジェネシスに乗りたいですか」との設問に対しては65%の人が乗りたくないと回答しています。しかしジェネシスの建造に反対の75%の人のうち10%は良いアイデアではないが、一度は乗ってみたいと回答しています。

その大きな理由に、上下船の混乱を予想しています。「まさに悪夢だ」との表現まであります。確かに私自身、11万トン級の船で乗船、下船にさんざん待たされた経験を持っています。それが11万トンの倍となれば、まさに悪夢でしょう。港湾設備もこれほどまでの大型化には対応できないと思います。

また「このような大きな船はまるで都市のようだ。都市の喧騒を嫌ってクルーズでゆったりしたいのに、クルーズでも都市に遭遇するのはいやだ」との意見もあります。まことにごもっともではありませんか。またテロリストの格好の標的になるなど反対意見が多数紹介されています。

日本船のように小さいと、選択肢がきわめて絞られて、いつも行くところが決まってきます。その分、乗客同士のふれあいが多くてよいのですが、少し不満が残ります。私は5万トンクラスが一番クルーズに適していると思います。飛鳥2がその良い例です。人数がさほど多くなく、しかも選択肢が豊富で快適だと思います。

11万トンクラスになると、良い人に出会っても部屋番号を聞かないかぎり、クルーズ中会うことはほとんどありません。また7泊程度のクルーズでは迷子になってしまいます。

アンケートでも人とのふれあいが希薄になり、クルーズが機械的で味気のないものになるとの回答も多いようです。クルーズの三大要素である、「設備の豪華さ」、「サービスの充実」、「乗客同士のふれあい」のうち大切な「乗客同士のふれあい」の要素が失われてクルーズといえるか疑問だと私は思います。

高級船の代名詞みたいなキュナード社のクイーン・メリー2と今年の暮れにデビューするクイーン・ビクトリアは15万トンです。やはりクイーン・エリザベスに比較して、乗組員全員のレベルが揃っていないとの評判を良く聞きます。キュナードのような高級船の大型化には私としては大反対です。

ロイヤルカリビアンのように大型化すると、経済性も良く、多種多様で豪華な設備やエンターテイメントを提供できるのですが、本来のクルーズの良さが失われる気持ちがしてなりません。日本人は大きな船に魅力を感じるようですが、私は5万トンクラスがクルーズには最適だと思っています。皆さんはどうですか?

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm