コスタセレーナの就航記念式でマルセーユはお祭り騒ぎ

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コスタセレーナの就航記念式でマルセーユはお祭り騒ぎ

コスタの就航式の派手さは定評があるようです。盛大な花火とイルミネーションで式典はより華やかさと楽しさを増大します。式典には主催者やゲストに加え、一般の市民や旅行者など何千人という人が参加しましたから、港町マルセイユはお祭り騒ぎになりました。

マルセイユ市内にある四つの有名なモニュメントにも当日はライトアップされ、上空に展開する花火とともに、大勢の市民が楽しんだそうです。さらに当日は五つ目のモニュメントとしてコスタセレーナが加わるわけですから、心憎い演出です。

しかし命名式はお祭りに先立って、伝統的な式次第にのっとって、厳粛に行われました。名付け親はフランス人女優の Marion Cotillardで、見事に一撃でロープを切り、シャンペンが船体に砕け散りました。同時に二発の空砲が放たれ、マルセイユのコーラスグループによる歌がひびきわたりました。

イタリアで活躍するコスタがこのような重要な式典をフランスのマルセイユで開催したのには訳があります。それはコスタクルーズはフランス人にとても人気があり、乗客の14%がマルセイユから乗船しているのです。今回はフランスのコスタファンへのお礼の意味合いもあるとのことです。

http://www.pts-cruise.jp/tour/costa_serena/medi_short/?afs=INOUE

船の進水式命名式にかかせないのは、名づけ親がロープを斧で切断し、シャンペーンが船体にあたる儀式です。これを日本語では支綱切断(しこうせつだん)と言います。私の現役時代、進水命名式をおこなった経験が何度もあります。当然支綱切断は重要な儀式です。たいていは発注頂いた会社の社長令夫人がその大役を担います。

リハーサルのときに私は少し意地悪をします。綱を緩めておくのです。そうすると綱は切れません。そこで社長令夫人はとたんに真剣になります。そこで私は「ご心配無用です。今回は少し細工をして切れないようにしているのです。これから本番通りにしますから、今一度リハーサルを御願いします」と申し上げ、一発で切れることを体験して頂くのです。おかげで私の場合、一回も失敗はありませんでした。

昔ながらの進水式でしたから、支綱切断でロープが切れてシャンペンが船体にあたると同時に、色とりどりのテープを引きづりながら船が船台を滑り、無事着水する瞬間はまことに感激的です。また支綱切断の紅白の綱は昔から「安産のお守り」といわれており、お客様にうやうやしく進呈します。

以上マメ知識を披露しました。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm