日本のクルーズ事情

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日本のクルーズ事情

国交省からやっと2006年のクルーズに関する統計が発表されました。例年3月頃に発表されるのですが、雑誌クルーズのHPによれば、今年は某旅行社と某船会社のアンケート提出が遅れたのが原因だそうです。クルーズ振興に逆行するこのような非協力な態度はいかがなものかと思います。

さて2005年度は156,200人と低迷していたのが、2006年度には176,700人と回復しています。しかしこの中にはフェリー6,500人に海外クルーズでは陸上旅行に組み込まれたシリヤラインの一泊クルーズが25,000人含まれていますので、実質日本のクルーズ人口は15万人程度というのが妥当ではないでしょうか。雑誌クルーズの某常務も同じ意見です。

さて内訳を見てみましょう。

海外クルーズは85,200人と前年度の77,900人に比較して10%弱の増加です。この中で日本船2万人とさきに述べたシリヤライン2万5千人を除くと海外船利用者は4万人程度となります。この数値は2005年度とほぼ同じです。その行き先はアジアが18,400人(22%)と多く、地中海は9,100人(11%)、カリブ海は6,200人(7%)、北米・アラスカ・メキシコが5,500人(6.5%)です。そして世界一周が4,200人でそのうち、日本船が1、300人であるのに、外国船での世界一周が2,900人であることには大変驚きました。

一方国クルーズですが91,000人と2005年78,300人に比較して16%もの増加を示しています。91,000人のうちレジャー目的が66,000人で残り25,000人はインセンティブの格安旅行や、団体旅行であり、しかもその数値が2004年に比較すれば70%近くも増加しています。飛鳥2効果で乗客数の減少した、びいなす、にっぽん丸が安値攻勢で乗客の埋め合わせに躍起になったのが原因でしょうか?クルーズの将来を占う上で気になることではあります。

また相変わらず短期クルーズが多く、一泊二日が40、二泊から三泊が30%とこれだけで70%を占めています。7泊以上はわずか5%です。日本人がいかに忙しく、短期クルーズに人気があるかがわかります。

以上のべましたように、政府業界が一体となってクルーズを増やそうとしてくれていますが、日本はまだまだクルーズの大後進国であることを痛感しました。外国のクルーズ会社が日本市場には目もくれない理由が良く理解できました。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm