飛鳥2「クリスマスクルーズ」について思う

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飛鳥2「クリスマスクルーズ」について思う

飛鳥2のクリスマスクルーズに参加しました。これから始まる藤原雄一郎の飛鳥・びいなす・にっぽん丸による「クリスマス・クルーズ三船制覇」の幕開けです。

まず結論から言いますと、雑誌クルーズのW専務も絶賛しておられるように、名実ともに「日本のクルーズシップ・飛鳥になったなあ」ということです。設備自体はもともと他の日本船を圧倒していますが、日本のクルーズシップとしての魂が入ったかどうかが確かめたかったのです。もはや「ハーモニではない飛鳥」になりきったと私は思いました。サービスの面でも、この一年で相当進歩したとの皆さんの情報を頂いていましたが、そのとおりであると実感しました。

また歌と踊りのプロダクションショウのレベルは就航前のモニターとは全く比較にならない、立派なレベルに到達していました。とかくの評判であった、食事の面でも一応のレベルには達したと思います。ただ食事や、クルーの接客態度などは何度も乗船して経験した継続的なものが必要で、今回のクリスマスクルーズでの印象で判断するのは正しいとは言えないでしょう。しかし設備に加えてティータイムや軽食などの面でも確実に他の船を一歩リードしています。これはシステムとしての比較ですから断言できます。この内容であれば追随するびいなすやにっぽん丸は大変だなと思いました。

設備やティータイム、軽食の面では飛鳥は日本の船の中では随一であることは間違いありません。これだけの内容ならば、他の船に比較して一泊あたり5千円から一万円の差がついてあたりまえといえるでしょう。(ホテルなら確実に価格で差がつきますね。それと同じです)この飛鳥の値段レベルに対してたとえばにっぽん丸は食事で凌駕してその値段差を縮め、結果として値段に大きな差がなくても、そのサービス内容に納得という熾烈な競争をしてほしいと思います。

また「飛鳥の豪華な設備と多様性は良いけれど、船が大きくて疲れるからびいなすのほうが良い」「歌と踊りのプロダクションショウが素晴らしいというけれど私は落語のほうが好き」「せっかくの豪華なシガーバーやマリナーズクラブは閑古鳥が鳴いている」など乗客の要求レベルの多様性にどのように対応するのか、クルーズシップとしてのポリシーが必要となるでしょう。そして「私は飛鳥」「わたしはびいなす」「私はにっぽん丸」という大切なお客様をどのように囲い込むかもとても大切なことだと思います。

設備やティータイム・軽食以外のサービスの面では、にっぽん丸やびいなすが飛鳥に勝っているところは色々あるでしょう。にっぽん丸クルーの「お帰りなさい」の一言(リピータの顔を覚えていて、乗船してきたお客さんにかけることば)、びいなすのフレンドリーな「クルーと乗客の交流」などお金をかけないでもいくらでも乗客の心をつかむ方法はあります。船会社の企画部門の人たちはつねに相手の船に乗船し乗客の反応を確かめるべきです。私にでも声がかればいくらでも説明致します。

国内の三つの船はそれぞれに独自性を持つことは必要ですが、飛鳥に対抗するには妙なところでケチらないことです。もちろんコスト削減は必要不可欠ですが、たとえばにっぽん丸の和食は温泉旅館であるまいし、お盆にあらかじめ盛って事前にテーブルに配置しているのはやめてほしいものです。飛鳥でもびいなすでも一品ずつ運んでくるではありませんか。またにっぽん丸の午後のティータイムの貧弱さはなんとかして欲しいと同時に、「ティータイム以外はセルフサービス」もやめてほしいです。びいなすの7階の女性の素晴らしいサービスや飛鳥のビストロでのサービスを見習ってほしいです。

また冷蔵庫にもミネラルウオータ以外に、ジュースやお茶くらいは飛鳥のように無料で入れておくべきでしょう。日本のクルーズの値段は国際的に見ると五ツ星クラスの高額さですからケチケチしてほしくないものです。

今回の飛鳥もそうでしたが、満席にならず、神戸から清水までの片道に5団体約100名のツアーが組み込まれていました。また清水から神戸のワンナイトの団体も多く見受けられました。飛鳥といえども集客にかげりが見えていることを強く印象つけました。これは思うように集客できないクルーズにたいして他の船でも行う手段です。どうして個人には区間クルーズを認めず、旅行社には許すのでしょう。(たった二泊のクルーズですよ!)

このような団体旅行は、クルーズ初めての人がクルーズを知る良いチャンスではありますが、値段レベルから見れば世界最高峰クラスの豪華船と同じです。そのような豪華船にはそれなりの雰囲気が必要ではありませんでしょうか。集客不足で団体客を入れるのであれば、団体以外の乗客の値段を下げてほしいと思います。だって日ごろの雰囲気とは確実に異なるのですから。クルーズの雰囲気は大切なものだということも認識してほしいと思います。

ともあれ飛鳥2が日本の客船として確かな生まれ変わりを確実にしてのは嬉しいことでした。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm