クルーズ=豪華客船の呪縛からの脱出を

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クルーズ=豪華客船の呪縛からの脱出を

今朝の新聞の全面広告を見て「またか」とうんざりしました。スタークルーズのアクエリアスの全面広告ですが「豪華客船」「夢体験」などの文字が乱舞しています。

スタークルーズは日本のクルーズ船と同じく、欧米社会を体現した「クルーズ」をかみ砕き、それぞれの民族に特化した独特の発展をとげてきた、欧米のクルーズとはひと味ちがったクルーズです。

特にスタークルーズはシンガポールや香港をそのままクルーズとして再現しました。いわば「洋上の香港・シンガポール」「動く香港・シンガポール」なのです。すでにおなじみのスーパースター・ヴァーゴはクルーズの入門船として「豪華客船の堅苦しさから解放された」きわめて気楽に楽しめるクルーズと評判です。

さらに今回大々的に宣伝している、スーパスター・アクエリアスは香港を中心として「カジノ船」として利用されてきたきわめてカジュアル性の強い船で、豪華客船というイメージはありません。それを「豪華客船」「夢体験」と大々的に宣伝し、クイーンエリザベスのイメージで乗船したとしたら、一体どのようなことになるのか、空恐ろしい気がします。

もともとクルーズ=豪華客船というワンパターンが日本におけるクルーズ利用を阻害してきた一面があります。日本の船でも飛鳥は世界でも最高峰に位置するクリスタル・クルーズでしたから、船そのものはたしかに「豪華客船」の名に恥じないものです。だも中味はクルスタル・ハーモニとは異なり、まさに日本の風土に特化された飛鳥そのものです。またぱしふぃっく・びいなすは気さくな庶民的な味のする船として多くの愛好者から支持されています。

「豪華客船」「夢体験」のどのキャッチフレーズでは思わず「タイタニック」を連想し、「服装が大変」「お値段も高価」と思わず腰を引いてしまいます。スーパスター・アクエリアスはその対極にあります。だのにこのような間違った広告にスタークルーズまでが顔を出しているのはどうしたことでしょう。もっと気楽さを前面に打ち出すことこそ大切なのではないでしょうか。全くもって自殺行為だと思います。皆さんはどう思われますか。


藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm