アメリカ・クルーズ市場の強さ

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アメリカ・クルーズ市場の強さ

読者からの貴重な情報を頂きました。

米国のクルーズ業界団体であるCRUISE LINE INTERNATIONAL ASSOCIATION の2008年のCRUISE MARKET PROFILE STUDYによると

?全米の人口3億人の内クルーズの経験者は6千万人(総人口の20%)
?うち3千万人(総人口の10%)が過去3年以内に乗船しており、今後3年以内の乗船希望者は3千4百万人を想定
?クルーズ参加者の平均年齢は46歳で、2006年の調査より3歳若い
?75パーセントがカップル(大半が夫婦)単位で乗船し、18歳以下の子供を同伴する率が増加
?最近のクルーズは平均6.6日、エアー、クルーズ、船内の出費含め$1,880を出費

米国クルーズの裾野の広さに驚くと共に、乗客の平均年齢の若さ、家族連れの増加、一泊当たりの単価の低さ(航空運賃や船内での費用を含めて一泊3万円未満)に目を奪われます。

とのことでした。

米国では完全にクルーズが旅行の一形態として定着していることが見受けられます。これは船会社の積極果敢なマーケット開拓の努力の結果だと思います。何事も「費用対高価」ですから、船会社が「お値段の割には楽しい旅」そして「多様な選択肢」を提供しているからに他ならないと思います。

日本の場合、クルーズは「親会社のステイタス・シンボル」として、富裕年配層にターゲットを絞った、特異な発展を遂げてきました。とてもファミリー層が楽しめる「気楽な旅」とは言えません。

「旅行大国ニッポン」ですから、「多彩な旅の選択肢」としてクルーズを受け入れる素地は十分にあるはずなのに人口比0.2%〜0.3%(米国20%)程度(推定)と極端に少ないのはなぜでしょう。

何度も申し上げていますように「陸上大手旅行社の意欲不足」と「特異なマーケットに特化した日本の船」につきると思います。クルーズの楽しさを浸透させる努力もなければ、楽しみたいと思っても受け皿がないのです。でも先日来、申し上げていますように、陸上大手旅行社がほんの少し、力を入れればヴァーゴに対して驚異的な動員力を示したように、何らかのきっかけで日本にクルーズが広がる可能性は十分にあります。

でもその受け皿は残念ながら日本の船にはなく、アジア進出のRCIやコスタ、それに長い歴史とノウハウに優れたスタークルーズになるのではないでしょうか。同時に日本船は現在の地位をさらに不動のものとするように思います。