びいなす 日向・備讃クルーズ

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びいなす 日向・備讃クルーズ

びいなすの日向・備讃クルーズに自称「親孝行クルーズ」として参加しました。写真集が出来ましたので見てください。
http://inox-tabi.com/cruise/venus/hb2008/h01/index.htm

私事(わたくしごと)で恐縮ですが、今年92歳になる母は私たち兄弟が連れてゆくクルーズが何よりの「命の洗濯」です。ところが体力の衰弱が激しく、いつもはクルーズが近くなるとウキウキするのですが、今回は何となく憂鬱そうです。とても心配しましたが当日港に到着し、びいなすの皆さんの手厚い歓迎で、車椅子でキャビンに乗り込むと、顔色が一変しました。

さあセイルアウエイだから外へ出ようと言っても「イイヤ私はここがええ」とキャビンを離れません。後で気が付いたのですが、一番問題のトイレが問題なくクリヤできたことで、すっかりと精神的な負担がとれて、まず「キャビンでのクルーズライフ」を味わっていたのでした。何事にも反応が遅くなっていますので、まずキャビンで「クルーズに参加したのだ」という実感に浸って、それから実に・実にゆっくりと、本格的に楽しもうとの考えだったようです。

母は頑固で「車椅子に頼るとそれが最後になる」と頑として車椅子(乗船・下船はびいなすさんに車椅子のお世話になります)を利用しないで、「私のベンツ」と称する歩行補助車での移動を主張して譲りません。5階のキャビンからダイニングまで30分かけて歩くのです。

途中オープンバーでウエイトレスの顔なじみのお嬢さんが母の肩に手をおいて「ママ ようこそ。 お元気でしたか」と話しかけてくれます。それから何回と無くオープン・バーの前を通りますが、そのたびごとに「ママ こんにちわ」「ママ ごきげんは」と聞いてくれます。そうすると母は大声で「サンキュー・ベリ・マッチ」と手を上げます。「ユー・アー・カインド」と叫びます。また二日目ともなると、多くの乗客が母に実に優しく声をかけてくれます。

そして圧巻はダイニングでの食事です。母は美味しいご馳走に大満足ですが、それにもまして素晴らしいダイニングのクルーが声をかけてくれます。母は「サンキュー」「デリシャス」に加えて「ユー・アー・ハンサム」さらには「アイ・ラブ・ユー」まで連発するものですから、タダでさえ明るいフィリピン・クルーととても楽しい掛け合いになります。相手が日本人スタッフであっても、それに気が付かず「サンキュー・ベリ・マッチ」の連呼にはいささか閉口しました。でも日本人スタッフは笑顔でやさしく対応してくれました。

フレンドリイ・びいなすの面目躍如です。びいなすにとってはとても邪魔な私たち三人組をこれほどまでに暖かくもてなしていただいて、言葉では言い表せないほどの感謝で満ち溢れました。

でも残念なことに、日々衰えて行く母にとって、次回はもう無理ではないかと思います。びいなすでの素晴らしい思い出を恐らくいつまでも大切に持ってくれることと思います。びいなすさんには心から感謝していますが、その気持ちを的確に伝えることが出来ずに残念です。口コミで伝わって欲しいなと思います。