レジェンドに乗船して(添乗員の質)

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レジェンドに乗船して(添乗員の質)

寒い日本の冬を避けてシンガポール発着のレジェンドに四泊と三泊の連続乗船をしてきました。四泊では200名、三泊では115名の日本人が参加し、しかも二名催行ではないツアー参加者が多かったのが目に付きました。日本の陸上旅行社もいよいよクルーズに本腰を入始めたような気がして頼もしく感じました。

でも各社ともに「格安ツアー」を目玉にしているせいか、問題点もいくつか浮き上がってきました。このメルマガは心ある旅行社の皆さんも見ていただいていると思いますので、今回は旅行社の皆さんに強くアピールしたいと思います。

それは添乗員の質の問題です。私が知っているかぎり「読売旅行」「JTB」「クラブツーリズム」他いくつかの旅行社がツアーを組んでいました。これから申し上げることは実名を出させて頂いた旅行社のことではありませんので、あらかじめお断りしておきます。

特に最初の四泊コースでは、最近クルーズに力を入れている大手陸上旅行社のツアー参加者の何組かから「もうクルーズはこりごり」との声を聞かされて悲しくなりました。

添乗員が未熟で、不満がうずまいているようでした。でもその会社はリーダらしいベテラン添乗員とおぼしき人も乗船しているのですが「添乗員の仕事は旅程管理をキチンとすること」に徹していてクルーズの楽しみ方を知らせていない、というよりはクルーズを知らないようでした。恐らく必須である「船内見学ツアー」もしていないのではないでしょうか。

ある乗客は「クルーズの搭乗手続きのややこしい書類を記入するのに疲れた。陸上旅行のほうが余程簡単だ。こんな面倒くさいものはもうやめた」というのです。この旅行社ではあの複雑な英文書類を乗客に丸投げなのですね。その一方で日本の航空会社の旅行子会社であまりクルーズに詳しくないと思われる会社の二名催行のお客に聞いてみたら「実に簡単。旅行社が全部記入してくれて、サインするだけだった」と喜んでいました。

日本の旅行の主流をなす「何もかもお任せ海外旅行」が主流の「この問題旅行社」の参加者は「陸上旅行に比較して、放り出されて面倒を見てもらえない」とご不満で、「言葉がわからないからさっぱり面白くない。もうクルーズは絶対に参加しない」とのことでした。でも添乗員がいればクルーズに言葉は必要ない」のがこの業界での常識です。よほど添乗員がひどかったのでしょうね。

その一方で読売旅行のお客さんは「若い添乗員がとても良くやってくれる。船の日本語船内新聞に加えて添乗員のアドバイスがある」など感激していました。でも「これって添乗員つきなら当たり前のこと」と首をかしげます。

「船内ツアー」に「添乗員のお勧め」、「船内イベントには添乗員も一緒に参加してお手伝い」、そして「食事のときのサポート」などなど、常識の添乗をすれば、少なくとも「二度とクルーズはごめん」という声は出ないはずです。またある経験深い乗客(どこの旅行社の参加者か知りませんが)は、最初の夕食のとき、ダイニングの入り口で「うちの添乗員にもあきれたものだ。最初の夕食なのだから食事が始まる前に来ているのが常識だろう。時間になっても姿をあらわしていないよね」と嘆いていました。その人たちはキュナードの乗船経験もあるとのことでした。

いくら格安ツアーとは言え、添乗員をつけるなら、最低限の常識は果たして欲しいものです。せめてクルーズコンサルタントの資格がないと添乗員にはして欲しくありません。これから日本のクルーズ業界は夜明けを迎えようとする大切なときです。添乗員の質の向上を願ってやみません。

二名催行のお客様も大勢いましたが、おおむね好評でした。二名催行のお客様は自分で行動することになれており、添乗員がいないのでそれなりの覚悟も出来ています。ツアーで変な添乗員をつけるより、二名催行を充実させたほうが、この手の格安ツアーは良いのではないでしょうか。

明日はレジェンドの日本語対応についてお話させて頂きます。