2008年クルーズ動向調査

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2008年クルーズ動向調査

毎年発表される国交省の「2008年クルーズ動向調査」が発表されました。それによると2007年のわが国クルーズ人口(除くフェリー)は18万7千人で前年度18万千人でしたから前年比3%増となりました。

例年私は外航クルーズの数を少し違った見方で整理しています。日本船と外国船にわけて分析するのです。日本船による外航クルーズは日本船として内航クルーズと合算して考えています。日本船からはフェリーを除き純粋のクルーズに限定します。

また外国船からは陸上旅行に含まれる北欧のシリヤラインなどの二泊以下のクルーズを除くのです。すなわち
日本船=日本船外航クルーズ+内航クルーズ−フェリー
外国船=外国船外航クルーズ−欧州二泊以下クルーズ
です。このようにして動向調査を観察すると次のようになります。

内訳は日本船は10万4千人(前年10万6千人)とほぼ横ばいです。外国船は8万3千人(前年7万5千人)と一割増加しています。すでに述べたように陸上旅行に組み込まれているバルト海2泊以下は外国船クルーズから除外するようにしていますので、そのようにすると6万6千人(前年5万7千人)と16%も増加していることになります。2006年は4万人にも達していませんでしたから二年で65%と大幅な増加です。

それは2007年に参加開始した「夢の豪華客船」で有名な阪急トラピックスのバーゴなどスタークルーズの動員力が大きな力になっていると思います。国内船は頭打ち、外国船は陸上大手旅行社の努力により16%増加したと考えるのが妥当と思います。

国内クルーズは相変わらず一泊31.1%、二泊45.4%、二泊以下合計76.5%と前年73.7%より若干増加していますが、とにかく「日本のクルーズは二泊以下が大半」と言えると思います。平均泊数にしても2.6泊です。一泊が半分近くを占めるのは経済効率から言って苦しいと思います。

一方外国クルーズ(日本船も入っていますが)の平均泊数は9.3泊で前年度10.7泊より短くなっています。

さて外国クルーズの行き先を前年と比較して眺めて見ましょう。

アジア 26% →35.1% 地中海・エーゲ海 12.5% →10.2%
オセアニアミクロネシア 11.4% →5.5%
カリブ海 5.6% →3.8% 北米・アラスカ・メキシコ 5.0% →2.0%

結局身近なアジアが多いですね。アジアの増加とは裏腹に他の地域の減少が目立ちます。アジアに食われたのでしょうか。

日本の船の定員に限りがある以上、日本のクルーズ人口の伸びは外国船にかかっています。そして阪急トラピックスなど陸上旅行専門の会社がクルーズに目を向けてきた効果で、ここ二年は外国船は伸びていますが、もともと数が少ないので、あまり目立ちません。

スタークルーズが日本で活躍していた時の22万人に達するのはいつの日のことでしょうか。