アラスカクルーズの行方

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アラスカクルーズの行方

2006年にアラスカクルーズ参加者一人当たり50ドルの税金を賦課することが決まり、以来実行されています。昨今の景気後退もあって、RCI、クルーズウエスト、カーニバル(カーニバル、HAL、プリンセス)は相次いで来シーズンからのアラスカクルーズの減便を表明しています。

激しい価格競争にもかかわらず、クルーズ参加者が減少しているのがその理由です。でもクルーズが減便になると、アラスカ経済に影響を及ぼしますので、地元経済界による会合がジュノーで持たれました。

出席者の多くは、現在課している50ドルの税金を撤廃するか、少なくとも見直す必要があるとの認識でした。

この会議で提案された内容は次のとおりです。

●50ドルの税金の撤廃か、それにかわる乗客に受け入れやすい制度に変更すべき

どのような素晴らしい景観があるといっても、それを見るためのコストが上昇したのでは、観光客は来てくれない。だから景観の魅力に見合った適正な税金はいくらかを再考する必要がある。

●アラスカに来て貰うための魅力的なキャンペーンの実施

税金だけが観光客の減少の原因ではなく、アラスカの魅力を旅行者に十分に伝わっていないことも原因である。

●税金に対する州民の教育が必要

50ドルの税金については住民投票によって決定したが、州民はこれらの税金が直接の利益に結びついていると考えている。でもそれは正しくない。もっと州民を教育すべき。ペイリン前知事(共和党の副大統領候補)の交代により、新しい知事はあたらしい考えを導入しはじめているとのことです。

でも5時間もかけた、このような熱心な討議にもかかわず、50ドルの税金の撤廃の方針は出ませんでした。

会議の責任者であるMcConnochie氏はすでに失われた損失を取り戻すことはもはや不可能であり、ジュノーだけでも2500万ドルの損失が見込まれると予想しています。

今、行動すれば、2010年は無理でも2011年にはクルーズ客を戻すことが可能だと彼女は言っています。でもこのまま何もしなければ、アラスカが「このような悪い税金を課して観光不振を引き起こした」良い実例として、旅行者に税金を賦課することを考えている、ほかの州に対する警告となるだろうとも言っています。

最近環境問題で、より高価な燃料を使用させる動きが活発です。その土地に住んでいない人に余計な出費を強いることは、その結果についてよく考える必要があるとも彼女は警告しています。少しばかり強欲にお金を取ったために、人々が集まらなくなり、以前得ていた収入を得ることが出来なくなってから後悔しても遅いと言う意味だと思います。来年のアラスカクルーズまでには50ドルの税金の撤廃を決めるべきだと思います。

航空機は燃料サーチャージを撤廃するのに、随分長い時間を要しましたが、燃料サーチャージを復活するのはとても素早い動きでした。このようなことが自分自身の首を絞めることだと自覚して欲しいものです。