大きいことは良いことか

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大きいことは良いことか

世界のクルーズ業界の中でRCIは経済効率を求めて次々と巨大船を世の中に送り出してきました。ボイジャー・クラスの船を世の中に送り出した時は衝撃を与えたものでした。「船の中でスケートリンク」「船の中に街並み(ロイヤルプロムナード)」などのアイデアは従来では考えられなかったものです。

そして、現時点での世界最大「ウルトラ・ボイジャー・クラス」を何隻も作ったと思う間もなく、さらに22万トンのオアシス・クラスがまもなく登場します。そして「船の中にセントラル・パーク」です。

このような巨大船では乗船・下船だけでもウンザリと思っていましたが、我がサイトの読者の報告によれば、乗船・下船は実にスムースだとのことです。恐らく「大きいことは良いことだ」という思想の根強い日本では人気を博すことでしょう。

世界のクルーズ業界で圧倒的な地位を占めるカーニバル・グループのCEOは「カーニバルとしてはRCIを凌駕する大型船を造るつもりはない」とこのほど言明しました。カーニバルグループで最大は15万トンのQM2です。でもその後で建造されたQVやQEは9万トンとサイズダウンをしています。

あまりに巨大船になると、均一のサービス提供に問題が出てくるとの考え方で、極めて妥当な考え方だと思います。来週にはQM2に乗船しますが、はたして均一なサービスの提供が可能であるのか、興味津々です。

カーニバル・グループではカーニバルの最大が13万トンのカーニバル・ドリーム、P&Oの最大が11万6千トン、プリンセスの最大がダイヤモンド・サファイヤの11万6千トンです。カーニバル・グループのCEOは「このサイズの船が一番自由度があり、寄港地の制約もない」と言っています。

オアシス・オブ・ザ・シーズのような巨大船になると寄港地にも制限があり、クルーズを楽しむと言うよりは、船を楽しむことが目的になりますね。その場合、陸上なら広さの制限のない自然が豊富にありますが、海上という制限のある空間での人口都市にどのような魅力を見いだすことになるのでしょうか。

一昨年の冬、小さな、小さな帆船「スタークリッパー」が美しい島々を船の一部にとりこんでいたこと。乗客・乗員との密接なお付き合いの素晴らしさが未だに脳裏からはなれません。はたして「大きいことは良いこと」なんでしょうか。