外国船 2010年 価格動向

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外国船 2010年 価格動向

さて一番気になる今年の外国船の価格動向はどうなることでしょうか。

まぎれもなく2009年は各社とも苦しみました。値段だけでなくあらゆる手段を講じて、乗客がクルーズに誘引されるように、最大限の努力をした年であったことは間違いないようです。

さて2010年はどうでしょうか。各社とも昨年よりは明るい見通しを持っているようです。極端な低価格(ラストミニッツなど)は多分期待できないことでしょう。そして価格は確実に上昇すると見ています。

私自身は燃料サーチャージの復活があるかも知れないと思っています。カーニバルが宣言していたサーチャージ復活条件である、原油価格70ドルやRCI他の65ドルのラインはとっくに突破しています。それでもサーチャージが復活しないのは、業界の最大手カーニバルが動かないからです。カーニバルの動向が気になるところです。

ただ昨年末発表されたカーニバルの第四・四半期の業績内容では、立派に利益を出していますし、その原因のひとつに「燃料費が安い」ことがあげられていますから、現状の原油の値段レベルではまだ十分に耐えることができるのでしょう。

でもリーマンショック以来低迷していたマネーゲームも息を吹き返していますから、原油値段のさらなる大幅上昇も考えられる2010年ですから予断は許しません。

また2010年はオアシス・オブ・ザ・シーズやNCL EPICなど革新的な新鋭船の導入とともに、「内容が素晴らしいのだから価格も高く」というプレミアム価格が登場しています。このようなプレミアム価格が乗客の間で受け入れられるのかどうかは、オアシスの動向にかかっています。

アメリカの乗客が「初めての物珍しさ」から冷めても「やはり良いものには高い価格を」との姿勢を示すかどうかです。このあたりについては2010年の前半にも結果が出てくると思います。

私自身の予想としてはこのような高価格志向を大衆船の利用者が受け入れるほど、景気は回復しない2010年だと思っています。

その証拠にラグジャリー船で2009年に打ち出した高額のオンボードクレジットやフリーの航空券、フリーのショアーエクスカーション等々の特典は2010年も続ける方針のようです。

ラグジャリー船利用者のような富裕層でさえ、このような特典が必要な時期に、はたして大衆船の利用者が「やはり良いものには高い価格を」という気持ちになるでしょうか。はなはだ疑問だと思います。

でも特にRCIはこの高価格戦略が成功しなければ、ますますカーニバルとの収益構造の差が開いてきます。2010年は注目すべき年になりそうです。