にっぽん丸「ニューイヤークルーズ」その2

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にっぽん丸「ニューイヤークルーズ」その2

本日はショウについて説明します。今まで国内クルーズは二泊三日がメインでせいぜい四泊までの短期クルーズにしか参加していなかったので気がつかなかったのですが、今回のようなロングクルーズでは短期とは少し違った印象を持ちました。

今回は江戸里神楽の若山社中(正月ですので必須ですね)、津軽三味線、第三回チャンピオンの福居一大を中心とする和洋混合エスニックバンドである虎バンド、クラッシックユニットのデュアリス、マジックのケイト・オカに落語家桂米多朗師匠の5チームがショウを担当しました。

にっぽん丸の最近の傾向として、これら5チームは一度はメインショウに登場し、それ以外は午後のティータイムや深夜に近い時間帯でのミニライブやマジック教室、神楽の太鼓教室など、随分酷使されています。その結果ショウの出演者と乗客の距離が日をおうにつれ、ドンドン近づいてきます。

このような出演者と乗客のふれあいの結果、ミニライブでは客席から声がドンドンかかります。それだけクルーズが楽しくなる仕組みです。特に落語の桂米多朗師匠の努力には感心しました。初日の高座から横浜下船の最後の最後まで、ほとんど連日のように高座をこなし、その上、司会やら餅つき大会にも気軽に参加していました。

その気さくな人柄と積極的な行動に、高座に集まる人は日を追って増加し、彼の努力が報われた様子に、こちらのほうがホッとしました。テレビで活躍する品のないお笑い芸人が高い報酬を得ているのに、伝統芸能である落語を一から修行し、真打になっても、あまり収入面では恵まれていないようです。それにもかかわらず、明るく、懸命の努力をしている師匠の姿は感動的でした。

また「本物は違うな」と実感したのは虎バンドでした。津軽三味線の三代目チャンピオンという抜群の実力は聞くものを感動させます。しかも津軽三味線の枠内にとどまらず、ピアノを加えて洋楽の世界に踏み出す和洋混合のエスニックバンドでの演奏はとてもすばらしいものでした。

若い人が日本の伝統芸能をひきついで、さらなる拡大と発展を目指す姿をとても好ましく感じました。落語の桂米多朗師匠や虎バンドのように伝統芸能の継承に努力している人たちには絶大なる支援をしなければと思いました。

そのほかにも「語りが絶妙なマジックのケイト・オカ」や、「ソプラノの声の美しいデュアリス」に「新年を盛り上げた江戸里神楽の若山社中」のことも書きたいのですが、長くなりますので、これまでとします。

今回実感したのは、長いクルーズならではの、「ショウ出演者と乗客とのふれあいがショウをさらに楽しいものにする」ことを発見したのは収穫でした。また乗客の年齢層から考えても、歌と踊りのプロダクション・ショウよりも今回の人選のほうが乗客に受けている様子でした。

私の持論ですが、あまり日の当たらない分野での世界一、日本一を見つけ出してショウを行うと、本物だけに必ず人を感動させますし、またギャラも安いのではと思います。日本船がショウで生き残る道はここにあるのではないでしょうか?
とにかく満足しました。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm