クルーズと船酔い

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クルーズと船酔い

にっぽん丸「ニューイヤー・クルーズ」では随分と揺れました。ちょうど年末、日本列島全体が大荒れの中、出港したにっぽん丸はとても揺れました。船酔いには絶対的な自信のある私ですが、さすがに、第一回目の夕食を食べることが出来ず、二回目に変更してもらい、受付においてある船酔い薬(トラベルミン?)を服用し、一時間ほど眠りました。

すると気分すっきり。二回目の食事は何事もなく頂くことが出来ました。あとで説明書を読むと「船酔いが始まって服用しても効果はありません。船酔いすると思えば早めに服用ください」とあります。朝晩二回、予防として服用している人も大勢いました。

私の場合、空腹が原因で船酔いがきたのですが、薬を飲み、ぐっすり睡眠をして気分が切り替わり、精神的に「薬が効いている」と錯覚して、気分上々で食事が出来たのでしょう。「船酔いに空腹は禁物」「船酔いは精神的なもの」との教訓を今回のクルーズで得ました。

さて日本の船の場合、酔い止め薬は無料のようです。注射はにっぽん丸の場合一回1000円でした。私が船酔いした夜は多くの人が夕食をパスして翌朝になってやっと回復した人が多かったようです。食事はかなり余ったとクルーから聞きました。

皆さんの話を聞いていると、本当に個人差が多いですね。私のように薬で一発回復の人や、注射で一発回復した人が多かったのですが、注射を4回もして効き目がなかった人とさまざまでした。

今回、5メートル程度の波でどうして船酔いになったのだろうと、考えました。にっぽん丸は小さな船なので、縦ゆれ(ピッチング)があるのです。それに横揺れ(ローリング)が加わった複雑な揺れで船酔いするのかなと思ってみたり・・・大型船では300メートルも船の長さがあり、縦ゆれの波の波長を越えているので縦ゆれはまずありません。

横揺れはフィンスタビライザがついていて、波の動きと逆の動きをするフィンがついていますが、これは波長が3メートルを超えると、やはり揺れます。今回のにっぽん丸は「うねり」に苦しんで、船長さんは大変でした。操船を上手にしないと、大揺れになるからです。一生懸命操船で揺れをすくなくしようと頑張ってくれました。そしてその情報を良く私たちに伝えてくれました。

また操舵室(ブリッジ)も長い時間にわたって開放して頂いて、びいなすの由良船長とはまた違った意味での乗客サービスに誠心誠意尽くして頂いたと感謝しています。

さて船酔いの話にもどりますと、冬場のハワイ−日本、グアム・サイパン路線は、今年ほどひどくはないものの、荒れる海域です。船酔いの心配がある人は、クルーズを選ぶとき、このような航路を選ばないことです。クルーズ船はあらゆる面で揺れが少なくなるように工夫されていますが、自然の猛威には逆らえないということです。

「船酔い対策として、静かな海を選びましょう」との陳腐な結論で恐縮です。


藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm