37万トンのクルーズ船

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37万トンのクルーズ船

アメリカのクルーズサイト、クルーズクリティックで、なぜか今頃になって都市機能を持つ37万トンのクルーズ・シップのことがニュースとして出ていました。クルーズに詳しい人なら知っている、日本の会社の提案による「かぐや姫」プロジェクトです。ネットで公開され、一時日本でも話題になりました。

この「かぐや姫」プロジェクトは提案会社のHPでは大手造船所とありましたが、ニュースでは、クルーズ船建造では伝統と実績を誇るフィンランドのアーカ造船所への提案とあります。何か進展したのでしょうか。これが実現するとロイヤルカリビアンのジェネシス計画(22万トン)がかすむくらいです。

船のコンセプトは「国際都市機能を持ったクルーズ船」ということで、37万総トン、全長500m、幅55m、20階の超大型船です。乗客は8千人で訪問者1万人を受け入れることが可能なスペースを確保するとのことです。

目立った項目では、多目的ホールです。面積は約6000??で、通常のホテルの宴会場の約10倍です。あらゆる種類のトレードショウ、コンベンション、室内スポーツ競技などの開催が可能となる広さです。

ホテル部門については1200室の別カテゴリーの独立した3つのホテルを配し、ショッピングモールは長さ300m、幅15m、高さ18.4mの吹き抜けのアトリウム形式となっています。面積は銀座三越の全フロアー面積とほぼ同等とのことです。

このような船がはたしてクルーズといえるのでしょうか。私は大いに疑問だと思います。クルーズは都市から離れてリゾートでゆっくりしたいのに、わざわざ都市に出向くことはありません。しかしロイヤルカリビアンのボイジャーやフリーダムを見ているとまさに「洋上の都市」でけっこう人気がありますね。

それから驚いたのはこのコンセプトがクルーズ後進国日本の「日本コンテンツネットワーク株式会社」という聞いたこともない会社から提案されていることです。代表の田中さんの経歴を見ればゴルフ場の設計が主です。このような人がクルーズ・シップの斬新的な提案をしているのに、どうして日本はクルーズ後進国なのでしょうか。残念です。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm