中国市場開拓コスタアレグラ乗船体験 その1

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中国市場開拓コスタアレグラ乗船体験 その1

地中海を得意とするコスタ社が世界に先駆けて中国市場を狙うべく投入したのがコスタアレグラです。現在は香港基点で、ベトナムクルーズを実施していますが、5月頃から上海基点で中国、韓国、日本に行程を変更します。

コスタアレグラは今回の中国市場投入を契機に全面改装を実施し、内装もとてもシックでまるで新造船のようです。またショウやエンターテイメントも充実しており、アジアでは始めての本格的イタリアンテイストのクルーズであるとの印象を受けました。スタークルーズはアジアンテイストで欧米の伝統を守る本格的クルーズとしてのコスタアレグラとははっきりと一線を画しています。

またコスタアレグラの日本寄港を契機に上海基点・長崎寄港のクルーズを、一部の旅行社では、日本人乗客に限定し、長崎発−長崎着クルーズを予定していますので、さらに利便性が高まると思います。気軽に本格的クルーズを味わうことが出来るチャンスです。

コスタアレグラは当初の目標として、クルーを完全中国化して中国人だけの乗客を対象としていました。しかし中国人のみでは満席に出来ず、フリピンや韓国、日本等、多国籍対応へと舵を切ったようです。クルーも中国人クルーの一部の「クルーズでは定番のフィリピン人」との入れ替えも進行中です。そして立ち上げから今日まで、中国人対応では相当苦労した様子が感じられました。

コスタアレグラではショウやエンターテイメンが豊富で特に夜はイベントが真夜中までぎっしりで、睡眠不足になります。問題の中国人のマナーの悪さも「フォーマルの衣装がトレパンに運動靴の驚き」があったり、「ショウの真っ最中に頻繁に出たり、入ったりで視界がふさがれる。」「イベントでは後ろの乗客無視で立ち上がって写真撮影」で長時間視界がさえぎられる、などで、欧米クルーズでは顰蹙を買う行為の撲滅に、コスタも諦めているようです。「規制をすると暴動がおこる」という冗談に苦労がにじみ出ています。

事実、チップでは乗客のクレーム殺到で仕事にならず、チップの一律徴収はやめてしまいました。中国人はほとんどがチップ無視です。また著作権問題で禁止されている写真撮影やビデオ撮影もおかまいなしの無法状態です。さすがに部屋への食事の持込によるドンチャン騒ぎはやめさせることに成功しましたが、持込禁止のアルコールも目こぼしせざるを得ない状況とか。とにかくコスタ当事者の苦労がしのばれます。

これから参入を試みているロイヤルカリビアンでも苦労が山積ではないでしょうか。しかしコスタアレグラでは試行錯誤の結果、雰囲気はきわめて良く、またイタリア人の「盛り上げかた」には歴史と伝統が感じられます。またショウもきわめて少人数でありながら5泊のうち4回も歌と踊りのプロダクションショウがあり観客を飽きさせない実力はさすがだと思いました。

とりあえず今回はこのくらいで、次回をお楽しみに。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm