コスタアレグラ乗船体験記 最終

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コスタアレグラ乗船体験記 最終

●乗客
50%が中国人、30%が香港人ですが、あとはフィリピンやタイなど東南アジア勢が占めています。欧米人は皆無です。日本人も今回は私たち夫婦をいれて3人でした。通常は10〜30人程度だそうです。(定員800名、今回300名)そして特筆すべきは若い人が多いということです。67歳の私は最長老のようで、日本船の平均年齢70歳とは大きくことなります。若い人が多いだけににイベントなどの乗りは活発でとても楽しい雰囲気を醸し出しています。

●食事
メインダイニングでの夕食は西洋料理のコースと中華料理のコースがあり、その他に高級食材をふんだんにつかった、有料の中華コーズがあります。フカヒレスープは30ドル、北京ダックは18ドルなど、コース全体を取ると100ドル近くします。また量は少なめで私のような老人にはピッタリです。メニューの選択肢が結構ありますので、食欲旺盛なかたは西洋と中華の両方を注文すればよいと思います。

●朝食と昼食はメインダイニングよりブッフェのほうが選択肢が豊富です。また夕刻はブッフェが閉鎖ですので、夜食まで時間が空いて空腹を感じます。ブッフェは他の外国船のように終日オープンしているわけではありませんので、食欲旺盛な人には不満かもしれません。午前は何もありませんが、午後4時からのティータイムは美味しさは別としてサンドイッチや点心やお菓子など豊富にありますから満腹には出来ます。食事の質は特筆するレベルではありません。

●部屋
インサイドの部屋を見せてもらいましたが結構広く、快適です。他の欧米船では狭いテーブルも結構広くパソコンでテーブルの広さの必要な私には朗報でした。しかしアメニティな石鹸とシャンプー以外何もありませんので、歯磨きなど必要なものは持参しなければなりません。日本の船では何ももって行かなくとも髭剃りまであるのが常識ですから要注意です。

●ショウ
少人数(女性4名、男性2名)ですが精鋭で歌と踊りのプロダクション・ショウが5泊のうち4晩もありました。僅かなメンバで観客を飽きさせない実力には感服しました。しかしイタリアだけあって夜11時頃から始まるケースもあり、大変でした。

●イベント
これがとてつもなく多く、しかもイタリアンテイスト満載で、全員で踊るケースが随分と多いので、踊り好きな人にはたまりません。社交ダンスではなくて、全員でサルサを踊ったり、イタリアの踊りを踊ったり、リーダの若いイタリア人が全くの素人を上手に誘導して楽しい踊りの場にしてしまいます。あまり上手でない中国人アクティビティ・ホステスがより親近感を抱かせます。

そのほかにも深夜までさまざまなイベントがあり、睡眠不足になります。そのせいか朝は静かです。イベントの後は豊富な夜食が待っています。私はいつも「お粥(コンジー)」を食べていましたので、バタン・キューでも翌朝「胃もたれ」はありませんでした。

●特別イベント
イタリアン・ディナーの日は圧巻でした。まず食事前には女性に赤いバラが一輪。そしてデザートになるころカーニバルで有名な音楽とともにナプキンを振り回すことから始まり、乗客・乗員がダンスをし、やがて全員が肩に手を乗せて練り歩くことになります。そして満足した頃にダイニング関係者が現れて挨拶。それからが大変。厨房スタッフの中の踊り達者が踊り狂います。観客が殺到し、見ることが出来ないくらい盛り上がります。このような楽しいディナーの演出には始めて出会いました。

またミッドナイト・パーティも異色です。夜11時にプールサイドに出てみると、参加者の多くが団体で踊っています。それが延々と続くのです。早く食べたいと思う私の期待を裏切って、踊りが終わると氷の彫刻の開始です。それが終わってさあ食事と期待するとどっこい、皆さんが集まっているところとは全く別の後方の上部デッキに一人の男がスポットライトを浴びて登場します。そして大きな美声でカンツォーネを一曲、すると厨房スタッフが現れて皆さんに手を振り、会場の歓声が巻き起こります。そしていよいよ待望のブッフェが始まりました。まさにミッドナイト・パーティです。「翌日は終日航海ですから朝寝を楽しめば!」との配慮がなされています。

●内装
古い船なのに中国市場投入で全面改装しましたので新造船のようです。そしてキンキラキンではなく誠にシックな内装で、一度にコスタアレグラが気に入りました。何事も第一印象が大切だと痛感しています。

●危機管理のサービス
最後の日に金庫がミスオペで開かなくなりました。パニックになってフロントに家内が駆け込んだら、家内がフロントから帰ってくるまでに、係りのフィリピン・クルーがかけつけてアッという間に開けてくれました。
そして不覚にも下船前夜、まだ必要なコスタカードをトランクに入れてしまい、いざいよいよ下船というときになってカードの無いのに気がつきました。慌てた私に、あっという間にカードを再発行してくれました。

どこの船でも同じなのでしょうがその手際のよさに感心しました。

以上述べたいことはまだまだありますが、コスタアレグラはアジア初の本格的なクルーズだと思いました。中国人対応で苦労していますが、是非アジアに定着して欲しいとしみじみ思いました。


藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm