ギリシャのクルーズ船座礁 その後の情報

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ギリシャのクルーズ船座礁 その後の情報

地中海のクルーズ銀座でこの海域に慣れているはずのギリシャのクルーズ船が座礁し、二名の行方不明者を出すという信じられない事故が発生したことはお知らせしました。その後の情報について引き続き報告します。

船長の証言
「船は通常のコースを運航していたが、海流のせいで右側に流された。そこで左方向へフルターンを命じたが船の応答が遅く間に合わなかった」と語っています。少なくとも事前に異常には気がついていました。
船長と5人のオフィサーは「職務怠慢により難破を招いた責任」でギリシャ当局から訴えられる予定です。6人はまた国際的な安全運行違反と環境汚染でも訴えられる可能性が大きいと報道されています。もしこれがその通りならまさに現代のタイタニックです。

船長、一等、二等、三等航海士にチーフキャビンスチュワードとハウスキーパーの6人が逮捕されました。また乗客の救出について手際が悪かったとの指摘に対しては機関長がキッパリと否定していますが、疑いの声は消えていません。そしてウオータ・タイトドア(水密扉)の扱いについても疑問がでています。今回の船長は若い船長で船長になって初めての航海ですから、経験不足が事故を招いたとの指摘もあります。しかし現時点では情報が錯綜し、何が真実かは不明です。裁判を通じて次第に真相があきらかになることを期待しています。

またこの事件の反響ですが「安全なはずで、最新の安全装置を装備していると称する船がこのように簡単に沈没するのはなぜ?」というのが多いそうで、私も全く同感です。この疑問にクルーズ各社は誠実に答えるべきでしょう。座礁はしかたないとしてもこうも簡単に沈没するのはなぜか是非知りたいところです。何か人災の要素があったと思えてしかたがありません。「行方不明の二人は船室に閉じ込められたまま」との説もあり、もし後日これが実証されたら船の不手際の非難は免れません。

次に多い感想は「非難訓練に対する乗客の真剣度の欠如」です。特に避難訓練に参加しない人をクルーズ側が放置しているとの批判があります。たしかに多くの外国船に乗っていますが、参加を確認するのは半分程度で、中にはラウンジなどで避難訓練の説明をすることもあります。

日本の船の避難訓練では出席の確認をしていなかったような気がしますが、これからは十分真剣に避難訓練を聞かなければと自分自身も反省しています。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm