あらためてクルーズの三要素

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あらためてクルーズの三要素

私は良く、「クルーズを構成するのは次の三つの要素であり、いずれも大切であるが、三つがうまくバランスしていることが一番重要」と言っています。その三要素とは

一つは「設備の豪華さ」すなわち船の絢爛豪華さです。

二つ目は「食事やショウ、クルーの対応などサービス」すなわち「船という絢爛豪華な仏に魂を入れる」重要な要素がサービスです。

そして最後に「乗客の織り成す雰囲気」で、これがとても大切だと思います。特に外国船はクルーズ会社ごとに文化が違いますから乗客の織り成す雰囲気は随分と異なります。日本船の場合は変わらないようでも微妙に差があります。

設備が絢爛豪華でショウのすばらしい外国船を利用する人から「にっぽん丸」や「びいなす」の貧弱なハードでお客様が集まるの?と聞かれることが多いのです。そこでいつも私は三要素の話をしています。そして「あなたは日本船の良さと底力を知らないな」とからかっています。

さて前置きが長くなりましたが「設備の豪華さ」で他の二船をだんぜん引き離している飛鳥をめぐって、最近サービス面での論議が耐えません。つい最近も掲示板で大きな議論がありました。
http://www3.ezbbs.net/cgi/reply?id=fujiwara&dd=33&re=4444

日本の船は比較的年配の富裕層が乗客の中心でした。ところが最近クルーズが一般に浸透してくると、古いクルーズファンから見れば「眉をひそめる」乗客が少しずつ増加し「乗客の織り成す雰囲気」に変化が生じつつあります。特に「収容人員の多い飛鳥2のショートクルーズ」にこの傾向が出ることがあるようです。この変化を良いとか悪いというつもりはありません。しかしこの変化を船側がどのように対処しようとしているかだと思います。

乗客側も船側も「乗客の織り成す雰囲気」の大切さを再認識すべき時にきているのではないでしょうか。そうでなければ「設備の豪華さ」で圧倒的に優位にある飛鳥2がデビュー当時の「発売、即売り切れ」状態から今や三隻互角の真っ向勝負になっている現状が理解できないと思います。

思い起こすのはびいなすの船上で親しくなった乗客から聞いた、長時間にわたる涙の出るようなお話です。商船三井や郵船とことなり、客船の経験の不足していたびいなすが、その創世記に様々なトラブルを克服し、乗客と船側が一体となった「びいなすを育てる」心あたたまる話です。その乗客は「今日のびいなすは私たちが創り上げた」とひときわ深い愛情を持っていて、その言葉の一言一言が胸にせまるものがありました。

びいなすで人気絶頂の由良船長さんはまさにその創世記のメンバーだそうです。びいなすも代替わりしたと思いますが、クルーズ各社がこの原点に戻って「サービス」と「乗客の織り成す雰囲気」を大切にして欲しいと思います。

その意味で最近続々とサービスの革新を打ち出し、船の改造まで発表したにっぽん丸に期待するところ大です。クルーズディレクターSさんも、アシスタント・コンシェルジェUさんも素晴らしい人でいつも私は感謝しています。どうか頑張ってください。

藤原雄一郎のクルーズワールド
http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm