アザマラ・クエスト乗船記その2

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アザマラ・クエスト乗船記その2

3万トンの船なのに、設備の多様性があり、内装がヨーロッパ文化を反映した実にエレガントなものであることはすでに述べました。

常日頃から力説しているクルーズの三大要素「設備の豪華さ」「食事やショウなどを含むサービス」「乗客の織りなす雰囲気」のいづれについても私自身は大いに満足しました。「設備の豪華さ」については文句なしですが、設備のメンテナンスについては行き届かないところが随所にありました。日本の船ならこのような状態で放置することはないのにと残念に思いました。せっかくの素晴らしい器(うつわ)なのですから、それにふさわしいメンテナンスを期待したいものです。

「乗客の織りなす雰囲気」については昨今のアジアクルーズとは雲泥の差があります。私自身、写真撮影を派手にやるものですから「完全に乗客として不適合」と自分自身を恥じたくらいです。乗客の皆さんはとても気さくでありながら、マナーはキチンとしていました。大衆船で良く告知されるマナーに関する注意事項は全くありませんでしたし、またその必要もないことを納得しました。それだけにクルーに対して厳しい注文を出す人もおりました。

小型船ですので、一度何かの機会に親しくなると、その後、船内のあちこちで出会うことは、まさにクルーズの醍醐味だと思います。

サービスの中で特に気に入ったのは食事の「フリーシーティング」と「フリータイム」に加えてドレスコードにフォーマルやインフォーマルがなかったことです。これで優雅さにともなう「何となく気が重い」という感じが完全に吹っ飛んでしまいました。

クルーズ伝統の「固定シートによる二回制」はどれほど素晴らしい乗客と同席しても何となく気が重いものです。最初は何とかなるものの、これが10日間も続くかと思うと憂鬱になります。最近は超豪華船ほどこのような「いつでも、どこでも」の制度が採用されているのはクルーズの快適性を考慮してではないかと推察しています。でも手数がかかりますから大衆船の固定シートは効率を追求しているのでしょうね。

ダイニングでの座席ですが、大衆船では難しい二名席が容易に得られます。入り口で部屋番号をいいますと、希望に応じて座席を選んでくれます。そしてメモをウエイターに渡して、ウエイターに誘導して貰います。そのメモには名前が書いてあるのでしょう。初対面のウエイターが名前で呼んでくれます。

二名席も多く準備されており、座席の間隔が話しかけるのにほどよい間隔で、「話かけたければ気楽に話せる」ようになっています。固定席なら会話を交わすのが礼儀で英語での会話は疲れるものですが、このような座席配置であれば、会話をするのは「こちらの勝手」ですから「話しかけるも良し、話さないのも良しでとても都合が良いものです。

日本船もこのようなシステムにすれば窓際ダッシュも起こらないのですが・・・

まだまだ報告したいことがありますが、次回といたします。
http://inox-tabi.com/cruise/azc/