海賊対策 さすが日本郵船

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海賊対策 さすが日本郵船

日本の船会社が、従来、海賊対策をどのようにしていたのか不明だったのですが、珍しく毎日新聞に、日本郵船の涙ぐましい努力が紹介されていました。

ご承知のように日本郵船のタンカー高山が海賊に襲われました。毎日新聞には次のような記載がありました。

「事件の5日後。同社幹部は、アラブ首長国連邦ドバイにある英海軍・海運情報センター(UKMTO)に飛んだ。バーレーンにある多国籍合同任務部隊(CTF)の幹部にも会った。海賊はどのように襲ってくるのか、比較的安全な海域はどこか。集めた情報を基に、独自の安全対策マニュアルを作った。「実にオープンだった」(同社の鈴木勝朗・安全環境グループ長)。各国軍の「好意に甘える形」で護送船団に入れてもらった。」

このマニュアルは同じように困っていた海運各社に伝わり、外国の護送船団に「こばんざめ」で便乗する方法が流行したそうです。

それというのも、現実に日本の船が海賊被害に遭遇しているのに、政府は海運業界の悲鳴に全く冷淡で、海上保安庁などは早々に逃げ出したと毎日新聞にはあります。このような事情を知ると昨年の世界一周に国が客船に対して警告を発したのは一体何であったのか!!

自分たちは海運業界の悲鳴に何もしないで、「一応警告は発した」というアリバイ作りだったことが今になってわかりました。怒りがこみ上げてきます。

日本郵船はお世話になったEU諸国へのお礼に、ロンドン郊外の欧州連合(EU)海軍作戦司令部に3月末から現役の船長を派遣し「海賊対策には商船の運用情報が必要」という司令部の要請に応えたのです。「これまで我々が貴重な情報をいただいてきたお礼」と日本郵船は語っています。

一般の国民は自衛艦が護衛しているではないか。このような反応は過剰反応の体制批判だとの声が聞こえてきそうです。そこで解説します。自衛艦派遣への流れが出来たのは「中国が海賊対策に軍艦を出した」からです。その結果海賊対策に冷淡だったアメリカが「中国が海賊に名を借りて、アフリカ諸国に影響力を発揮するのを恐れて重い腰をあげた」と毎日新聞にはあります。

アメリカが重い腰をあげると、当然日本もアメリカの命令で重い腰をあげます。そこには「国民の生命、財産を守る」思想はカケラもありません。このような「国は全くあてにならない」状況で日本郵船は良くやったと思います。感激しました。